平塚「なあ、お前進路どうすんの?」




電車の中で平塚が突然俺に言った。




高校三年生。
夏休み直前のことだった。




俺の高校は進学と就職が半分くらいの割合で
俺は家計が苦しいという理由から就職希望だった。





平塚は、特にやりたいことがないから
就職にしたらしい。




俺「あー、とりあえずどっかに就職できればいいかなって感じだ。」




平塚「だよな。でも俺県外に行こうかと思って。」





俺「まじか。県外もいいけど、俺はやっぱ地元で実家通いだな。」





とは言ったものの、この頃の俺は
求人票の見方なんて分かるわけもなく、
毎日更新される情報を眺めているだけだった。