離してなんかやるかよ。


俺達は駅を出て駅前の噴水の近くに座る。


柚來は弁当を開けて1度フリーズして瞳がうるうるしている。


気にくわなかった?



「……ありがとう」



…キュン。


いまの煌びやかな笑顔…


俺以外のやつにみせないでほしい。



まじでやばいから。



「うーん♡美味しいっ!颯は?自分のお弁当作んなかったの?」


幸せそうにオムライスを食べる柚來。


作ったけど実を言うと自分用の弁当忘れてきたんだよな。


だけど、気を遣う俺。



「別にお腹すいてねぇから」



「…え。だけどバイト大変だったでしょ!?疲れたでしょ!?ほら、目の下黒いし疲れてるんでしょ?疲れてる時は食べて元気になろうだよ?」



そして柚來がオムライスを俺の口に無理やりつっこんだ。



「食え。あたしより少食とか許さん」


「うん、美味い。だけどこれって間接キス…」


じゃん。



「ぬあ~!そう言うこと駅前という公の場で言います?」


「じゃあ公共の場で叫ぶ?」


「……ごめんなさい」



そして柚來は黙ってしんみりと弁当を食った。



「そろそろ帰るか」



気付けば夕時。



空が茜色に染まっている。



「うん…」


そして俺達は駅に戻り電車に乗った。



電車はクリスマスということで大勢の人が乗ってる。