離してなんかやるかよ。


「…よし颯!これ着て元気出してっ!よし昼ごはん食べるよ~!」



柚來は俺にうさぎ耳のパーカーを渡した。


なんだよ、これ…。


「お揃いなんだけど…とにかくクリスマスプレゼントだよ?どうかな?」



お揃いね…


確かにいま柚來はうさ耳パーカーを着ていてる。



ワンピースが汚れたからな……って


にしても柚來の長くね?


「ん?」



柚來が俺を見つめる……。


「いや…ぶかぶか過ぎて狼が近寄ってきそう」


「えっ?狼!?あたし赤ずきんじゃないよ!?」



「……ばか、そうじゃない。可愛すぎて男が近寄ってきそうっつってんの、わかった?」



「…………っ!」




こいつ、顔まじで赤ずきんじゃん。


真っ赤だわ…。



そして俺達は動物園を出て駅に戻る。


そして駅内のとあるお店で柚來は立ち止まった。


「わぁ!駅弁の日の丸弁当だ!これ食べようよ」



駅弁…ってなめてんの?



「だけどオムライス食べたいなぁ~。だけどオムライス食べれるレストランってこの辺~「ねぇねぇ」



駅弁を見つめる柚來の耳元でささやく俺。




「ん」



「へっっ!?」



俺はカバンの中から弁当を取り出した。


中身はオムライスと苺。


「作ったんだけど駅弁には敵わないよな」



「……いやいやいや全然!食べる!」



「まじで?」



柚來はうんうんと首を縦にふる。



「やった」



朝バイト行ってまだ柚來が寝てたから作った。


けどよかった、作った甲斐があって。


他のレストランとかで飯食うかと思ったけどよかった。