「…ふ~!疲れた」
「つかれたな」
「お前は何もしてないじゃん。あたしを放置してヤギと戯れてたじゃん」
柚來は走り回ったりしてたけど結局、イケメンのアイドルが雑誌の撮影かなんかで来て柚來にくっついてたウサギはそのイケメンところに行って…
「あのイケメン好きウサギめ。あたしが颯の彼女で恨んだのか…」
「え、なんだそれ」
「いやだってさ…」
―…ぐ~
俺じゃないよ?
たぶん柚來の腹の虫が鳴った。
「うう…」
柚來は顔を赤く染めてお腹を抑えてる。
腹へったな…
「ってお前、スカートと手」
「変態っ!あんたもうさぎに噛まれたら?」
なんでだよ…。
まだスカートっつっただけじゃん?
それにうさぎはイケメンには飛びついたりしねぇんだろ?
「スカート汚れてるし手赤いけど?」
「…手?」
たぶんそれ蕁麻疹。
たぶん柚來、うさぎ触って蕁麻疹できたんだと思う…。
「あぁ…あたしアレルギーだった。忘れてた」
…忘れてたって。
「お前ばかなの?」
まじで自分で動物園行くって言ってうさぎアレルギーってこと忘れてうさぎ撫でて
蕁麻疹できてばかだよ、ほんとこいつ。
「……昨日からガキとかばかとかばかとかってあたし…!颯が…っ!」
俺がなんだよ?
今は自分の心配しろよ。
蕁麻疹できてんじゃん。
そう思ってたら柚來は後ろを向いて走って逃げた―…
守るって誓ったのに
君は遠ざかる。
俺から再び遠ざかる、守るどころか離れていってしまう。
なんなんだよ、ほんと。