「動物園行きたいの!」
「…別にいいけど」
動物園って小学校の社会科見学以来行ってねぇな。
だけどまあぶっちゃけ俺もどこか行きてぇな、なんて思わなかったし。
そして俺達は電車に乗って3つ目の駅で降りる。
「やばい。可愛い」
俺は昨日の猫といい案外動物に懐かれる。
動物園に着いた俺達は…とりあえず動物見るのを楽しむ。
キリンにつつかれる俺。
「いてぇ~、だけど可愛い」
俺はキリンを撫でて…
うさぎや鶏やヤギがいる広場に行く。
「こいつ柚來に似てんな」
「はぁ?」
「この口が尖ったところ」
「それ鶏に失礼でしょ。何時も美味しいたまごをありがとうございます」
柚來が鶏にお礼言ってるよ。
柚來はオムライス好きだからな、まぁ作ってるのは俺の母さんや俺だけどね?
するとうさぎが俺のところに来て
ぴょんぴょん跳ねてる。
そう言えば柚來って宇佐美って名字だったよな。
「柚來―…」
「ん?」
俺はうさぎを撫でながら柚來の名前を無意識につぶやいてた。
それで柚來が俺の声に気付いて振り返るとじーっと見つめてくる。
そんなに見んなよ…
胸がときめいて顔が自分でも感じるほどあつい。
俺って意外に…照れ屋―…?
「…わぁ!うさぎだ!かわいいっ!」
俺の元にいたうさぎは柚來のところへ行って柚來はうさぎを撫でてる…。
うさぎがぴょんぴょん跳ねると柚來もぴょんぴょん跳ねてなんだ、この(宇佐美とうさぎによる)茶番…。
うさぎは高く跳ね柚來のワンピース噛み付いた。
「………………………は?は?は?は~?」
このうさぎって凶暴だよな?
オスにしろメスにしろ凶暴過ぎんだろ!
柚來は意地でもウサギをワンピースから離れさそうとワンピースをふったり走り回ったり。
ワンピースがふわっと浮かんで…っておい。
そうじゃねぇだろ、
助けねぇと。
だけどウサギが俺をジッと睨むから
「まぁ頑張れば」
俺は他人事。
このウサギに手を出したら噛まれる…。