離してなんかやるかよ。


こんなんじゃ明日デートなんて無理……。



明日はクリスマス。


颯にプレゼントもお礼もあげれない。



貶されたから拗ねちゃって


颯から離れるなんて、あたし情けない。



「掃除しようかな」



掃除は自分の心の整理をする時でもあるって聞いたことあるしあたしは掃除でもして少し改まろう。





先ずはバケツに水をいれて


自分の部屋の床を拭こう。



カーペットを廊下に投げ飛ばし部屋に水の入ったバケツを置いてタオルで拭き拭き……。



颯はあたしのことをうるさくて落ち着きがないクソガキなんて思ってたんだ。



それが冗談であろうが本気だろうがあたしは傷ついた。



だけど傷ついて拗ねて颯から離れるなんて自己中過ぎるよ…。



颯は多忙な生活で疲労感やばいのに倒れるかもしれないのにっ…



颯をスーパーに置いてあたしは…


────ドカッ



「…ぎゃ~~~~!!」



なに今の?


泥棒…!?



いやまさか…。


だけど怖くなってきたな。


10000%の確率で颯はまだ帰ってこないと思う。



さっきスーパー出たばっかりだし流石に早過ぎるよ……。




だからやっぱ泥棒……?


この家に盗む物なんてないよ!


そんな大したものなんか………あ、まさかシューノンのサインっ!?



あたしは壁に飾ってある修学旅行で入手したレアなシューノンのサインを抱きしめる。



……絶対あげないっ。



絶対に渡さないっ…。