そう思ってたらあたしはチョコレートの香りに包まれながら
いつの間にか寝ていた。
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これはあたしの知らない話。
「神崎くん。柚來は能天気で大変でしょ~?一緒に暮らすの疲れるわよね」
車の中、オムライスが大好きな女が俺の肩に頭を乗せてスヤァと眠る。
相変わらず可愛い顔してむかつく。
「はい。偶にめんどくせぇなって思ったりするけど。あいつ割りと毒舌だしシューノンシューノンうるさいしまともに料理できないし…だけど楽しいです」
「柚來は楽しくないかもしれないじゃないの?」
「あいつは今の生活が好きかわかんねぇけど。俺は柚來といたいし俺の母さんも柚來の友達も皆柚來といたいと思う、柚來と住んであいつに教えてもらったんです。誰かを信じたり愛したり守ったりする大切さを改めて知ったんです」
俺は車の中、柚來の母さんと熱く話す。
俺は本当に身勝手だと思う。
柚來といてぇからいて離れたくねぇからいて。
柚來の母さんが仮に柚來をNYに置いて貴方達だけ日本に帰国しなさい…って言っても俺は柚來を連れて日本に戻る。
だけどそれぐらい好きだからずっとそばにいてやりてぇから。
「……柚來はいい子でしょ?愛想良くて明るい子でしょ?皆に優しい馬鹿正直な子なのよ?」
「はい」
「柚來を貴方みたいな人に守れるの?」
「守ります、喧嘩もすることもあるけどすれ違いだってあるけど俺は柚來が好きです。柚來が俺を嫌いって仮に言っても絶対落とします。とにかく俺、こいつ幸せにしたいんです」
「アハハっ」
え。
なんで笑われたの?俺。
「なにその純愛劇。神崎くんすごい一途ね、わかった。神崎くんに柚來は任す」
────ありがとうございます!
「ほら。ホテルに着いたわ、じゃあよろしくね」
そして柚來の両親の車は去った。
柚來は母さんにも似たのかなぁ…。
親切でキレイな方。
「んんっ…」
ホテルに戻り部屋にお姫様だっこで柚來を運びベッドにそーっと置いた。
すると柚來は俺の手を握って俺は柚來の隣で寝た────…
修学旅行倒れて寝てばっかだよな。