「Let's enjoy come on baby」
あたしがそう言うとみんながリピートアフターミー。
おんなじ事を繰り返して言う。
そしてあたし達の円陣を終えた。
そんな時1人遅く…
颯が教室に入ってきた。
―…ふわっと香るチョコレートの香り。
そんな甘い香りにあたしは胸がキュンってする。
颯とふと目が合うあたし。
「…っ」
すぐ目は逸らされたけど一瞬のことにすごく胸が高鳴った―…
目が合うだけでこんなにもドキドキするんだってよく恋愛ソングの歌詞であるけれど本当にそうなんだって実感した―…
「颯顔赤いよ?」
松本くんが颯のほうへ行ってそんなことを言ってる…。
颯も直谷くんと同じく活気で熱くなってるのかな?
それとも目が合って照れて―…
いやいやっ!
颯はあたしが嫌いなんだ。
嫌いな人と目が合って照れるなんて有り得ない。
天と地がひっくり返っても颯はあたしと目が合って照れるはずない。
「別に」
ほら!颯も別にって言ってるし。
やっぱり照れてないんだよ―…
照れないって解ってるけど
照れてたら良かったなぁ…って若干思ってしまう。
だけど照れてないから少しだけ胸の奥がチクッと痛むんだ。
「そうなんだ。つーか颯もLet's enjoy come on babyしたかっただろ?」
「は?お前なに言ってるの?赤ちゃんの上で来て楽しみましょうって意味わかんないんだけど」
え…。
確かにLet's enjoy come on babyを和訳したらそうなるけど!
babyってのはほぼノリで!
come onもほぼノリで!
Let's enjoyが大事なんだよ!
それを知らない松本くんは「え?まじ!?」と驚いてる様子。
「普通に考えてその英語の文章おかしいだろ」
いやいやいや殆どノリなの!
まあそれを松本くんは知らない為あたしはその後もちろん松本くんに訊問されて「あの英語はノリだよ!」と言った―…
