颯はあたしの容姿が変わったからって好きになったりする単純なやつだけど
メイク等で一変したあたしよりも遥かにハーフの女性のほうが可愛いと思っているはず…。
「にしてもすごいっ!先生メイクうますぎる!」
翼が保健室の先生の一言。
確かに異様にすごいメイク。
肌白なあたしの頬もピンクできれいに染まってて赤色に近いピンク色のリップグロスであたしの唇は潤いってキラキラしている…、なんだこれ。
本当にあたしじゃないみたいにかわいい仕上がりになってる…。
「あたしの友達化粧品会社の人でね、メイクがすごい上手なんだよ。それでよくあたしにもメイク教えてくれるんだ」
保健室の先生はそう言って…「最後にっ、宇佐美さん」。
と付け加えあたしに生クリームの香りがする香水をつけた。
…甘い香り。
「この会社の香水友達の会社ので。本当好きなんだ。これは昨日発売された生クリームの香りなんだけどこの前はチョコレートの出たんだよ」
チョコレート…。
チョコレートの香水…。
颯もチョコレートの香り―…
「あたし甘いもの大好きなんだけど生クリームとチョコレートってさ、相性抜群だよね。ほんと生クリームとチョコレートは運命共同体って感じで…」
運命共同体って感じで…
相性抜群って感じで…
颯がチョコレートで今のあたしは生クリーム。
相性抜群なのかな…?
全然相性悪いと思うよ―…
