「似合うよ」
しかも松本くんまでもがそんな惚けた発言をしている。
いやいやいや皆目がおかしくなったの?
保健室の先生も翼も松本くんも目腐ってるよ…。
あたしをかわいいなんて
白雪姫の格好が似合ってるなんて…
いやいやいやあたし白雪姫の格好着るのは本物の白雪姫がかわいそうだと思ったぐらい自信なかったのに。
「かわいいっ!?」
「うんうん!かわいい!もっとメイクとかヘアスタイルも盛ったら超絶かわいくなる!」
いやいやいや~
そんな服装やヘアスタイル、メイク変えただけで可愛くなるはずないよ~。
そう思ってたら保健室の先生が…
「それなら任しなさいっ!」
って言ってストパーとメイク道具を出し出したではありませんか…。
何事っ…!?
そして翼はあたしの手を掴んでソファーに座らした。
ひぃ~!
何するの!?
保健室の先生と翼は今からユーホーキャッチャーをするゲーマーの様な目をしている。
とにかくすごく怖いのです…。
松本くんは男が立入ることはできない境界線だと思ったのかは知らないけどそそくさと保健室を出て行った。
そしてあたしは保健室の先生に黒髪ロングの天然パーマを更に巻かれて
メイクも施されて白雪姫のあたしの完成。
「…なにこれ別人」
誰ですか、あなた。
本当にあたしですか!?
本当に宇佐美柚來ですか…。
「やばい…、すごいかわいい」
やばい可愛すぎる。
これはあたしじゃない。
絶対あたしじゃないっ!
「これじゃあ神崎絶対落ちるな。ベタ惚れするわ」
「ええっ!?本当っ!?」
まあこんなに可愛かったら
颯にかわいいって思われても…
っていやいや~!
