「…き、きす?」
柚來が驚いて瞬きをしてる。
いや俺もびっくりなんだけど…。
そう思ってたら柚來はカウンターの机を躊躇なく叩いてカフェを飛び出した…。
柚來…?
ついさっきまで驚ろいた表情だったのにカウンター叩いてる時は涙目だった…。
柚來…、先輩に俺が頬っぺキスされたから泣いてるんだよな。
「…先輩なんでっ」
いくら俺と柚來が付き合ってること知らなくてもハーフでも
先輩は高校3年生で今年まで海外にいて海外の習性が身についてても
頬にキスなんて有り得ない。
今まで抱きついてたのはまだ許してた。
仕方ないって思ったよ。
だけど頬にキスは初めて。
しかも何で突然。
店長にはハグをして先輩は…
「…なんでって急用終わったから来たの。あたしもお手伝いする」
俺にそう言った。
ちげぇよ、そうじゃない。
俺はなんで普段とは違う頬っぺにキスしたのかって聞いてるんだよ。
だけど先輩はカフェの食器を洗う…。
「神崎くんもバイトしないと」
先輩…、俺バイトしてる場合じゃねぇよ。
涙目だったあいつが心配であいつのとこに今すぐ行きてぇ。
その時…。
バンッ…
机を叩く音が再び聞こえ机を叩いたヤツはカフェを飛び出した…。
それは直谷―…
