離してなんかやるかよ。



音楽をガンガンに流して聴こえないようにするとか自分勝手過ぎる。



この前バイトに行こうとしたらマンションの管理人さんにお婆さんが



「なんか以前タチ悪いのがいてねー。すごく派手な音楽を流してる子がいるのかね、音漏れがすごいだよ」



そんなクレームを言っていたのを聞いてそれ以来俺も柚來も大音量で音楽をあんまり聞かなくなった。







だけど今はどうしても聞きたくない話があるから俺は音楽で紛らわそうとした。




「給食の時にね。俺がー…」




だけど神様はそんな自分勝手な俺に罰を下したのかな。





CDプレイヤーの再生するスイッチが故障してるのか音楽は流れなかったー…





「嫌いな食べ物が…」




未だに聞こえる直谷の声。




直谷が語る初恋の子の話、初恋の子はきっと柚來。





だから俺…聞きたくねぇし聞いたら切なくなる…。




今ここにいたら話を聞くことになる。



俺は早くここから離れてぇ…。




「ちょっと俺お手洗い…」




そう言って洗面所まで行こうとする俺。





「…あ、颯!」




そんな俺の前に柚來が大量のお菓子を持って現れたー…





ハロウィンにたくさん貰ったのかよってツッコミするぐらいお菓子を持っていた。