離してなんかやるかよ。



「え…」



なんだよ…。





なんでだよ…。




柚來のとこに到着したら俺は驚いた…。




その時ちょうど松本も来て俺と同じく茫然。




「…あ、颯と松本くん!」




「あぁ二人共来てくれたのにごめんね、さっきすごい筋肉質な体型の人が通り過ぎてその人が直谷くんの体揺すったら直谷くん起きました…」




そりゃあ茫然するに決まってる。



なんせ俺窓から飛び降りるっていう怖い経験してまでここまできたっていうのに



直谷通り過ぎのボクシング部かどっかの筋肉質なやつに助けてもらったんだからさ。



「よかったな…直谷…」



「ま、榛陽その筋肉質のやつに惚れんなよ…」


「惚れないよ…。俺にはまだ好きな人…」




松本がすげぇ馬鹿なこと言うと直谷はすげぇ顔真っ赤にしてる。




まだ好きな人…?




まだ好きな人って未練とかあるやつがいるってことかよ?




だけどこいつ柚來のこと気になってるよな…。



「え、榛陽好きな人いんの?」




「………初恋の人。小学校の時に同じクラスで仲良かった子」



初恋ー…。



柚來のこと気になってるのに初恋の人のこと忘れれねぇのか…。



だけどあいつは柚來見ながら照れくさそうに言っていたんだ…。



まさかあいつの初恋の人って柚來…!?




ってことはこいつと柚來は小学校の時同じクラスなのかよ…。



それが本当だとしたら…




「だけどその子は友達たくさんいたし俺みたいな地味なやつ忘れちゃってると思うけどね」






やばい。




こいつマジで危険人物。