離してなんかやるかよ。



「風船割れた!すごく怖かったよ」




だけどあいつは俺の独り言に気付いてなくて笑いながらそんなことを言ってる。




「宇佐美さん案外怖がりなんだね」



って直谷は言ってるけどあいつ怖がりじゃねぇよ。



ホラー大好きなやつだよ。





そんなこんなあって俺は窓から離れあいつのとこ行って一緒に帰ろうとした。




「神崎くんハンカチ!」




「あーやるわ、それ」




「いやいや要らない!あっても捨てちゃう」




捨てるはひでぇわ。



そう言いながら俺は胡桃からハンカチを返してもらいスマホとハンカチをポッケにしまう。




「それと!あたしやっぱりやめた!柚來の家捜索するの。今から柚來に家行かしてって言って柚來の家行く!」





「え…?」




なに言ってんの?こいつ。



それって俺の家にくるってことだよな?




待って…




「神崎くんも行くよ!」




「いや行くって…「柚來の家行くの!」




行くって…。

柚來の家行くって…。


待ってそれ、俺の我が家に行くってことになるんだけど。




行ったらぜってー、同居してるのバレる!



だけどあいつ胡桃が家に行っていい?って頼んでも同居してるのバレたくないみてぇだし断るよな…。



俺的には断ってくれたら嬉しいけど今の胡桃のこと考えると…断ったらまずいんじゃねぇの?




『あたし柚來に嫌われてるのかも…。柚來親友には言えない隠し事あるのかも、と言うかあたしのこともう親友とも友達とも思ってないんじゃ…』




ってネガティブになるかもしんねぇじゃん。




「おいっ!待て」




胡桃に柚來の家行く!何がなんでも行く!なんて言われたら大変なことになる気がして俺は胡桃を止めようとした。




だけど時はすでに遅し。