「ところで君!直谷くんだよね」
バカップルの彼氏側が直谷くんに気付きそう言う。
直谷くんは首を縦に振って「よろしくお願いします…」と恥ずかしそうに言った。
「よろしく。俺松本蒼生。蒼生って呼んでいっから。んでこいつが神崎颯ね。ドライで生意気なやつだけど優しいやつだから」
「優しくねぇーよ!な?柚來」
「あ、うん…超がつくほど意地悪」
松本くんがみんなを紹介していて突然話をフラれたからあたしはそう言った。
冗談だけど
本当かもしれない話。
「はぁ…?弁当もう作んねぇから」
「ええっ!?」
弁当これからも作ってほしい訳じゃないけれどなんか残念。
そう思ってたら
「帰ったらお前覚えててね」
耳元で小声で颯が言った。
覚えててね!?
ってなに!?
すごく意味深なんだけれど。
なんだろう、嫌な予感しかしない。
「まあこいつらはほっといて俺の彼女、胡桃翼。ほんと可愛いんだよな~」
松本くんは惚気けていて翼は「え、蒼生ったら~…」って照れている。
またこのカップルはバカやってるよ。
あたしは颯の意味深な発言はさておきとりあえずお腹減ったので颯の作ってくれた弁当箱を開けた。
