倒れてから、次の日のこと。

 私はリリの猫パンチで目を覚ました。時計を見るとあと数分で十時になるところだった。
「……やばいっ! 寝過ごした……」
と、言ってから気づいた。

 今日は土曜日。私の通う高校は休日だった。

「なんだぁ……。じゃ、昨日の事もあったし寝よう……」

 ボスッ。
 起き上がった体が再びベッドへと吸い込まれていく。隣にいたリリの尻尾をひじで踏みそうになり、昨夜のことを思い出す。急いで腕をリリからよけた。幸い、リリは何もしてこなかった。

 おばあちゃんは、もう起きたかな。
 昨日の私のことであまり眠れなかったんじゃないかな。そうだとしたら、私が真っ先に起きて朝食の準備をしたほうがいいのかな。

 起きよう。

 再度体を起こし、リリにも細心の注意を払う。あの攻撃はもう二度と受けたくない。ベッドから降りるとリリがトコトコとついてきた。
「いたたたた……」
 どうも体が重い。ベッドから部屋のドアまで歩くのも面倒くさい。

 やっとの思いでドアにたどり着き、ドアを開ける。リビングには、普段の私と同じで早起きなおばあちゃんがいた。

 なんだ、寝ててもよかったのね。