ってバカか。これじゃ私がストーカーだ。
今のは嘘。嘘。どうかしていたわ。
自覚症状のあるうちは病的なものじゃないって、どこかの偉い人が言ってたっけ。いや、自覚症状も何もストーカーじゃないけれど。
とりあえず、今は電話はかけない。
かかってきたら、まずは謝ろう。そうしよう。
少しすりむいたように痛む私の心を、包み込むような布団の香り。お日様の香り。
歯みがきもしていないし、お風呂にもまだ入っていない。
だけど、いいや。
もうめんどくさい。多少入らなくても死なないし。
目を閉じると、さっきまでの会話が頭の中でよみがえる。
「……っ」
どうしてもあそこのヘマをしたところが引っかかり、寝るに寝られない。
謝るんだ。謝るんだ。謝ればいいじゃない。
そればかりを繰り返しているとまぶたが自然と閉じていくようだった。



