通話時間 四十八分 二秒
画面に表示されたその文字に、私はため息をつく。
「電話代、高くついちゃうかなぁ……」
今月はそんなに通話機能を使っていないけれど、私の携帯の契約内容は通話料金がものすごく高い。
あとで届く請求書、見たくないな。
それにしても、なぜあのタイミングで電話が切れたんだろう。まだ話の結末を言ったわけでもないのに。私から切ったわけじゃない。シノノメさんから切った、または切れた
。
怒らせてしまった、のだろうか。「面白い」と言われるのが好きじゃなかったとか。私があまりにも笑っているから腹が立ったとか……。
「まずかったかなー……」
スリープモードに入ったスマホを眺め、意味もなく左右に振ってみる。
怒らせてしまったなら、謝るべき。だけど着信拒否設定をされていたら、電話で話すこともかなわない。そりゃ、あの温和なシノノメさんがいきなりそんなことはしないはず。
でもわからない。あの穏やかな表情の裏で、私に思いきり怒りの矛先を向けているかもしれない。
私の頭の中は渦を巻く。
力ないため息を一つついて、体をベッドへと投げた。



