「卒業生、答辞。3年4組、黒崎颯真」
「はい」
いよいよ答辞の順番が回ってきた。
名前を呼ばれた颯真は、朝のような嫌そうな表情はなく少し寂しそうな顔をしていた。
「答辞。…………穏やかな春の日差しが私たちの卒業を祝しているように降り注いでいる今日。私たちはこの一宮学園を卒業します」
ゆっくりと颯真が答辞を読み進めていく。
「……一宮学園で過ごした日々は私たちにとって、とてもかけがえのない大切な時間でした……」
颯真の答辞をみんなは集中して聞いてる。
……だって、さっきの送辞を聞いた時よりもすごく心にスッと言葉が入ってくるから。

