そう思っているのにこいつは私をさらにぎゅっと抱きしめてきた。



 ……これじゃあ逃げられないし起きれないじゃない!!



 本当にありえなさすぎ!!




 ちょっとイライラしてきた私はそろそろ本気で起こしにかかろうとすると……。




「華音……」




 やつは寝起きの色気をたっぷり含んだ声で私を呼んだ……。



 うっすらと寝ぼけている目を開けて私を見ている。