「颯真? どこ行くの?」 「ここのホテルを予約しておいたんだ。だから今日はそこに泊まるつもり」 「えっ、ここの!?」 「そうだけど……。嫌だった?」 私の声に立ち止まった颯真。 全然嫌じゃないっ。ってかむしろ……。 「私、小さい頃からずっとここのホテルに泊まってみたいって思ってたんだぁ……」 私の小さな夢であったのがここのホテルに泊まること。 ホテルに泊まるならほとんど藤堂の経営している所だったしね。