「スキですっ……シローせんぱいのことが、世界一だいすきですっ……」
「うん、……ありがと」
シローせんぱいは「ちょっとごめんね」とブルさんをおろすと、あいた両腕でわたしを抱きしめた。
ずっとここにいたのだろう、ひんやりと冷えた体。だけど、こんなにもあたたかい。
シローせんぱいの匂いに包まれて、大きなツリーの前そっと優しく抱きしめ合う。
ずっと、ずっと
恋をすると、世界はきらきらと輝く。
ときどき汚い自分を知って、いやになって落ち込んで。だけどこうしてその体温に触れるだけで、こころは穏やかになる。
とけてしまうほどの、幸せを感じる。
きらきら、きらきらと。
この、クリスマスの景色のように



