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それからひとりでお昼ごはんを食べたわたしは、お昼休みの終わり頃の渡り廊下を歩いていた。
みんな5時限目の授業にむかっているのか、廊下には2、3人ほどの姿しかなくて静かだ。
教室に行ったらあっちゃんにさっきのこと相談してみようかなぁ……でも恥ずかしい。けど、うーん……。
ひとり悩み考えながら廊下に立っている人たちの前を通りすぎようとした、その時。突然足元にスッと出された細い足。
「わっ!」
当然咄嗟によけられるはずもなく、わたしはそれにつまずき、その場に思い切りころんだ。
廊下のタイルに、膝と額がごんっとあたる音が響く。
「い、いたた……」
なんでいきなり足が……?
涙目になりながら振り向けば、そこに立っていたのは濃いメイクにきつい目つきをした、いかにも気の強そうな女の子が3人。
短いスカートとこちらを睨むめつきから、たぶん3年生だろう。



