紺色のセーターの袖からみえる、色の白い大きな手。
ごつごつとしていて、骨っぼい。指はながくて爪もきれいに切りそろえてある。
きっと今日も冷えているであろうその指先にそっと手を伸ばし、人差し指でシローせんぱいの人差し指にちょん、と触れた。
それでも起きる気配のないシローせんぱいに、今度は先ほどよりしっかりと撫でるように触れてみる。
……体、冷えてる。
体温の高い私の指先に、その低い体温が伝う。
寝てるところかわいそうだけどやっぱり中に……そう思ったその時、触れる指先をその手は突然ぎゅっと握った。
「ひゃっ!?」
思わず声をあげそちらをみれば、シローせんぱいの目はしっかりと開けられ私を見ている。
「し、シローせんぱ……!?」
「なにしてんの、人の手触ったりして」
「え!?起きてたんですか!?」
「うん。えなか来たときのドアの音で起きた」
ほぼ最初から起きてた……!!
寝てるとばかり思っていたからこその行動だったこともあり、一気にはずかしくなってしまう。
かぁぁっと赤くなる顔を見て、シローせんぱいはははっと笑った。



