「この先他のだれかといても、そのきもちは終わりません。終われません」



一生かかえて生きていくんだろう。わたしも、このきもちを。

楽しかった思い出も、思い出すたび苦しくなって悲しくなって、いつかきっと後悔する。

『あのとき言えていれば』、って。



だけど、シローせんぱいがアヤさんへ伝えるのをためらうきもちもわかる。

だって、こんなにもわかりきっているのに、後悔するのは目に見えているのに、わたしもこのきもちを言えないままだから。



『スキ』、そのたった一言が大きすぎて。



わたしとシローせんぱいは、いつだって同じこころを持っているんだ。




「……俺より、えなはどうなわけ」

「へ？」

「その言い方から見るに、えなも居るんじゃないの？好きな人」

「へ！！？」



突然シローせんぱいに、言い当てられた『好きな人』の存在。

隠してしらばっくれなきゃ。知られるわけにはいかない。そう思うものの、動揺してわたしの顔はかぁぁっと一気に赤くなる。