Recollection ~レコレクション~

「美味しかったね!」


と早紀が言うと、


「ああ、美味しいし、早紀のおばさんにも会えたし、いう事なしだよ!」


と光輝が答えた。

そして、光輝は腕を早紀の前に出した。

早紀は、一瞬止まったが、光輝が目で訴えたから、


「ありがと!」


と言いながら、腕に手をまわした。

二人はすっかりデート気分になっていた。

そして、近くのアジサイ寺に足を向けていた。

二人で、この近辺を散策することにしたのだった。

腕を組んで歩いてると、早紀が何かにつまづきそうになった。


「あっ!」


と早紀が声をあげたが、ギュッと光輝が早紀を抱きしめた。

二人の距離は徐々になくなり、光輝はそっと早紀の唇に触れる程度のキスをした。

早紀にとって、初めてのキスだった。

光輝は何度もキスをしてるのに、こんなに新鮮な気持ちのキスは初めてだった。