たしかに、光輝は高校の頃からもてた。

彼女がいないときなどは、なかったぐらいだ。



しかし、光輝はいつも心のすみを隙間風が通り過ぎていた。

なぜなら、光輝から好きだと思って付き合ったことは、今まで一度もなかったからだった。

たいていが、告白されて・・・とか・・・

なんとなく付き合い始めるってパターンだったからだった。



そんな光輝が、今まさに恋らしい感情を抱いているのは本人も不思議だった。

しかし、早紀は全く気付かないでいた。


「ねぇ、学校へ行かないと遅れるよ！」


と早紀が光輝を現実の世界に戻したのであった。