「そうなんだ?女の子にはうちの会社も優遇してるんだな~」


と山本さんは独り言のようにつぶやいた。

早紀は、そのことに関しては何も言わないでいた。


「じゃあ、本当にありがとうございました。」

「いやいや!」


と山本さんは言いながら、反対のホームへと歩いて行った。

早紀も改札へと歩きながら、何度か後ろを振り向いてみたが、山本さんは黙々と歩いていたので、そのまま早紀は自宅へと足取りを向けた。