Recollection ~レコレクション~

マロウドに着いた早紀は、とりあえず席に座り、コーヒーを頼んだ。

早紀は真夏以外はホットコーヒーを飲んでいた。

ひとくち口をつけた早紀は驚いた。

そう、あまりに飲みやすい上、香りもとても香ばしかったからだ。

心の中で、


「美味しい!」


と叫んでいた。


「やぁ!」


と後ろから声がした瞬間、早紀は飛び上がらんばかりの勢いで席を立った。

ぎょっとしながら、後ろを向いた早紀の目に飛び込んできたのは、まぎれもなく山本さんだった。