車を飛ばして蒼の実家につくと、玄関の前でも夏来の声が聞こえた。





──ガチャン






「ただいまー、母さんー!!」






蒼に続いて「おじゃまします…」と部屋に入っていくと、余計に夏来の声が大きくなった。






「夏来どうしたの?」





ギャアギャアと泣く夏来を、お母さんの腕の中から受け取った蒼。





「さっきまで大人しかったのよ、すごく」





「夏、何で泣いてる?」





「…あッ。季蛍ちゃん体調は平気なの?この間はすごく大変だったらしいわね…」






「もうおかげさまで良くなりました…すみません、迷惑ばかりで。夏来の面倒も見て頂いて」






「いいのよ、家は寂しいから」