「…薬なくなったらすぐ来てよ?」
「わかってますよ」
高島先生の手が抜けてから、服のボタンを留めた。
「…もう上野先生が赤ちゃん生まれるまで休みだから…外科が慌ただしいね、なんか」
「…でも蒼が回ってるらしいですよ」
「蒼先生もすごいよねー…内科と外科、両方専門にしちゃうんだから」
「中学生の時から成績優秀で…もう小学生の頃から医者目指してたらしいですから。」
「そうなんだ」
「……だから今日はどちらかといえば内科が慌ただしいですよ」
「…まぁね。でも内科は比較的患者さん少ないんじゃない?
…俺の予約だって今日ゼロだし」
「それは高島先生だけじゃないですか~」
そういって笑うと、
「え、俺だけ?……季蛍予約入ってんの?」
「入ってますよー。私体調崩してばっかりで、診られなかった患者さんの再検査とか…いろいろあるんです」
「……そっか」