にこにこ明るい笑顔を向けられて、こっちまでなんだか元気をもらう。





「…楽にしてもらって結構ですので」





細くて綺麗な手がスルリと服の中に入って、聴診器が当てられた。





なんだか…久しぶり。





真剣な目で、季蛍ちゃんは何回か当てる場所を変えた。





「喘息は落ち着いてるみたいで良かったです…雑音も聞こえませんし」






「ほんと?良かった…」





「はい。…陽さん喘息最近落ち着いてますよね?羨ましいです」






「……季蛍ちゃんは…最近…?」







「……少し喘息が酷くなってるみたいで。主治医の先生に怒られちゃいました」




苦笑いした季蛍ちゃんは、聴診器を抜いた。





それから首筋に手を振れたり、喉の腫れを診てくれたり…。






軽く診察が終わる頃には、私の体調も少し…限界に近づいていて。






「陽さん…無理させちゃってすみません。


…風邪だから薬を飲んで十分に休めばすぐに熱は下がると思います。



だから安静にしててくださいね」






「…ありがと、季蛍ちゃんには本当に…感謝してる…」






「いえ。………陽さん、目に涙が」






怠さからなのか、泣きたいだけなのか……目にたまった涙をそっとタオルで拭いてくれた季蛍ちゃんは笑って。




「…話ならなんでも…私でよければ聞きますよ」





「……季蛍ちゃん。




ありがと…う……。」








「……いえ。このあと一緒に病院に行く予定なので…陽さん、顔色悪いから少し眠ってみたらどうですか?」





「………そう…だね。少し寝させてもらうね」






「はい…私はリビングにいます」