『え、そうなの?俺は別にいいんだけど…いや、蒼と高島がいいなら別に…』





電話中の奏太が寝室から出てきてリビングに来ると、春架が小さく声を上げた。






『あー…そうなんだ………あ、ちょっと待って……ごめん。』




「…まな?愛香どうしたの?」





携帯電話を離して奏太は春架に聞いていた。







春架も焦っていて、『あの…』を繰り返していた。






「愛香、…愛香大丈夫?」





奏太が寄ってきて、手にしていた携帯電話を床に置くと、奏太はそっと私の手首を握った。






「愛香どうした?目眩がするの?」






「……そ…た」





声にならない声が出た。





「お昼にもそれであたし救急車を呼んだんです…!!でもそのときは大丈夫だって…」






「愛香が?」






珍しく奏太が焦っていた。





……それには訳があったんだけど。