それなのに。 …体は私を裏切った。 「あ、まなっ…」 「大丈夫だよ、平気だから」 目の前の棚も二重に見えた。 何もかもが二重だった。 ジェットコースターに乗っているように体が揺れた。 グラグラと揺れた。 立っていられなくなった。 そのまま薬の箱が床に落ちる音がしてから、私はその場にしゃがみこんでしまった。