雑談を何時間も。
何時間も……。
外が真っ暗になって時計がもうすぐ次の日を刺すとき、玄関が開いて。
「ただいまー」
と奏太が帰ってきた。
「おかえり」
「ただいま。……あ、春架ちゃん」
「私のこと知ってるんですか?」
「アルバムで見たことある。…若いね~」
「え、…ちょ、お世辞がうまいんですね」
「顔赤い、ハハ」
そうやって一瞬で打ち解けられるのも奏太のいいところ…。
「一つ電話しなきゃいけないとこがあるから電話してきてもいい?……何、愛香怒ってんの?」
奏太は春架に聞きながら寝室のドアを開けた。
「いや、別に怒ってないですよ!」
「…そう?なんか機嫌悪いな」
携帯電話片手に、奏太は寝室へ入っていった。
「な…ちょ、めっちゃかっこいいじゃん」
「……そう?」
笑うと春架も笑って『どうかした?』と首を傾げた。
「……いや、」


