___夜が明ける頃、『もう大丈夫だ』と言い張って彼女は子供を抱えた。 「お世話になりました…ありがとうございます」 彼女は頭を下げると、 『お大事に』と看護士が返した。 遠くからそれを見守っていた奏太は 『本当に大丈夫なのか?…あの奥さん』 とぼやきながら、心配そうに見つめていた。