さすがパパの勘。
バカにできない勘の良さだ…と感動しながらも、
「うん………結構ヤバい感じの」
「…また黙ってんだな」
ゴクリ、とコーヒーを飲み込んだパパは、
「季ーー蛍ーー、来てー」
と叫んだ。
数十秒後、キッチンからのっそりと顔だけだすお母さん。
「……何?何を俺に隠してるって?」
「愛優……」
言ったでしょ…とでも言いたそうにこっちを見つめるお母さん。
「愛優を恨んでどうすんだ。黙ってた季蛍が悪い。」
手招きしたパパの目の前に、椅子を持ってきて腰をかけたお母さんは、右手で押さえていた首辺りのガーゼを剥がした。
「……何これ」
「切った…」


