「疲労が原因で倒れちゃって」
父さんは新聞を置いてそのまま寝室に入っていった。
「……お父さん心配かけたくないのよ。港に」
「俺に?」
「ほら、今陽ちゃんも大変なときで…港も仕事と家庭とで忙しいでしょ?
『俺のことはその次だ』って黙ってるつもりだったみたいなの」
「……ふうん」
「お父さん…薬飲むのサボったり…あたしに飲んだって嘘ついたりそんなのばっかりよ。
ほんと、また何かあったらどうするつもりなのかしら」
「……」
「だから港からも言ってあげて?薬はちゃんと飲んでほしいって」
「わかった」
「…お父さんも息子思いなのよね」


