「……ねぇ」 「ん、ん?」 気づかれないようにか、お母さんはキッチンへと足を進めながら私の方を見た。 「…それ………どうしたの?」 「え?どれ?」 「どれ……って首…」 「………」 「言わないの?……パパに」 ココアをすすって顔を上げると、困った顔をして 「や、やっぱ言った方がいい?」 「うーん………っていうかどうやったらそこ切るの?」 「さっきコップ割っちゃったんだけど…その破片持った手で首掻いたら…」 「…………」