息苦しさと暑さで目が覚めて、辺りを見回す。
「……せんせ」
別に誰とは言わない。
誰かきてほしい。
そう思って声を出してみるけれど、ドアが開く気配はない。
寒さに耐えきれなくて布団を丸被りする。
「……寒」
震える体を両手で覆い、体を丸めた。
のそのとき、病室の外で誰かがしゃべる声がした。
「お疲れ様でーす」
「あ、お疲れ様です」
「これから様子見るんですか?」
「んー、さっきも来たんだけど。寝てて」
「そうですか」
私のことだ、と思ってそっと目を閉じる。
しばらくすると、病室にも光が射し込んだ。
中に入ってきた高島先生は、何やら物音をたてた。
「…高……せ……い」
「………ん、季蛍起きてる?」


