「季蛍は大丈夫なんですか?また熱だしたり……まさか」
「大丈夫だよ。咳だけで調子はいいみたいだし…」
そう言った俺の携帯が鳴った。
「…ごめん」
頷いた高島は、また箸を進める。
「もしもし?」
「…あ、パパ?」
「愛優…どうかした?」
「いや…。今仕事?」
「仕事終わって夕飯食べてる」
「終わったんだ!!……今お母さんがパパのこと呼んでててね?
『蒼!』ってさっきからリビング右往左往して…。
どうしたんだろ?聞いても何も答えてくれなくて」
心配そうに見てくる高島と目を合わせて、首を傾げる。
「そう。ちょっとかわってくれる?」


