────
──────「ね!!蒼起きて!!」
「……~?」
はしゃぐような声に目を開けると、パジャマ姿の季蛍が俺の体を揺すっていた。
「…おい………季蛍…?」
「あのねあのね!気分悪くないし、薬効いて大分良くなったの!!」
「………季蛍」
「すごいでしょ!!もうこーんなに元気…」
「季蛍!……おいで」
「………何」
体を起こして、ベッドの上に座る季蛍をそっと抱いて。
「……治ったからってあんまりはしゃぐとぶり返すのが季蛍だろ」
「…。ごめん」
ギュッと抱きしめた体から、トクトク言う心音もさりげなく聴いて。
「……大丈夫そうだな」
「もー平気!!……仕事行ってもいいでしょ?」
「…いいけど今日は休みだよ」
そう言って笑えば、顔を真っ赤にして『そっか』と言う。
「……今日、…どうする?」
「……今日は季蛍と家にいる。」
「……え、ちょ…」
体を引っ張って膝上に乗せて、向かい合うように体をまわして……これでもかってくらいギュッと抱きしめて。
「…体調悪いと何にもできないからな」
「…な、何にもって─…。私病み上がりなんだけど……」
「大丈夫。……そんなのわかってるから」
『熱もないね』とコツンと額をぶつければ、耳も顔も真っ赤にさせてリンゴみたいになっていた。
「…元気になってよかった」
病み上がりだから、って言われてもさすがに我慢はできなくて。
愛しい季蛍の唇に、そっと唇を重ねた。
「…あぉッ…」
「…んふふ、久しぶりの気がする」
何度も唇を重ねるうちに、季蛍がリンゴみたいな顔で
「…また熱が上がっちゃう」
「……」
我慢できずにまた…、唇を重ねた。


