「ちょ!待って季蛍」 熱があるせいかボーッとしている季蛍は、湯気のたつ器の中に手を入れようとしていて。 「待って季蛍。今食べさせてあげるから」 隣に座れば、少し潤つかせた目で俺を見つめた。 「…ん?」 「……あん…ま、食べ……い…」 「…食べれない?」 コクンと頷いた季蛍の頭をそっと撫でてやる。 「大丈夫、少しだけ食べれば薬飲めるから」