着替えを終えてリビングの椅子に座った季蛍は、机に乗っているりんごを両手で握ってボーッとしていて。 ソファで後かたづけをしていた俺は、そんな季蛍に笑ってしまった。 「リンゴ食べたいの?」 そう言うけど、季蛍は首を振る。 「できたよー。うどん」 食べやすそうによく煮込んであるうどんからは、モクモクと湯気がたっている。