「季蛍手かして?脈診たら熱計ってあげる」





また暖かい季蛍の手が伸びてきて、その手首を掴んだ。






「我慢できない時は病院に電話しな。…我慢したっていいことないんだから」





「…ごめ…ん」






「汗もかいてるし…これじゃあ風邪悪化しちゃうだろ」






「……ん」








「…今日病院一緒に行けば良かったかな」






独り言をつぶやいて、今度は季蛍の服の中に手を入れて体温計を挟んだ。