「あ、パパおかえり」



「ただいま。……季蛍はどうしてる?」





「寝てると思う。夕食出来たから呼んだんだけど来なかったから起きてないみたい」






「そっか」



愛優とそんな会話を玄関でして、家の中に入る。



リビングに荷物を置いて、上着だけ脱いで寝室のドアを開ける。






「季ー蛍」






返事も物音もなく、ベッドには横たわる季蛍の影。





「…寝てんのかな」






明かりをつけてベッドの横に座ると、かけ布団は微かに動いていた。






そっとかけ布団をはがしてみると、枕に顔を埋めて肩を震わしている季蛍がいて。







「…遅くなってごめん。起きてるなら連絡してくれてよかったのに」