「どうしたんだろ…」 頭を抱えて悩む蒼先生の隣で、俺はベッドに寝かされた季蛍の服を開けていく。 「風邪じゃないですか?この頃の風邪、酷い症状が出るものが流行ってるらしいですから」 「…そうなのかな」 「発作も最近しょっちゅうだったみたいですけど…本人から連絡きてないですし」 そう言って笑えば、蒼先生も少し笑った。 「季蛍ごめんね、音聴かせて」 そう言えば目を少し開いた季蛍が、微かに頷いた。