「あー…蒼先生。季蛍、ちょっと押さえててもらえますか?」 「…うん」 蒼は私の体を抱き上げて、両手で固定した。 「……やめて」 「逃げるだろ、どうせ」 「……」 「季蛍服のボタン開けといて。聴診してから吸入しよ」 高島先生はなにやら奥でバタバタ。 蒼に固定されて自由のきかない私の服を、高島先生はプツプツ器用に開けていった。 「……やだぁっ」 「動くな」