トイレへ入ってみると、やっぱり陽さんは鏡の前でじっとしていて。







トイレの中の化粧台に体重をかけていた。









「……陽さん?」









「……あっ…季蛍…ちゃん」










「あのー………大丈夫ですか?」










「う、うん、大丈夫」










「………やっぱり体調悪いんじゃ…」










「ううん、平気」











「…でも」











「港には………言わないで?薬飲まなかったから…怒られちゃう」









「……………わかりました」









「いい加減行かないと…心配されちゃうよね。もう行こうかな」









そう言って陽さんは体を上げた。