──次に目が覚めたのは、息苦しさに気づいた時。
横になっていると空気が取り込めなくて、苦しさに驚いて起きた。
けど、自力ですぐに起きあがれるほどの力はない。
シーツをギュッと握りしめ、ゆっくり呼吸をすることだけに意識を向けた。
港がいつも背中をさすって
‘大丈夫’
‘落ち着け’
と言ってくれるのを思い出しながら、ゆっくり。
……だけど、背中をさすってくれる手がないだけで、これからもっと苦しくなるんじゃないかという不安まで襲った。
そう考えるとまた呼吸が荒くなってきた。
体を丸めて深呼吸していても、なかなか空気が入ってくる感じはしなかった。


